ライターが記事作成を代行するときの心得と発注者がチェックすべきポイント

こんにちは。セールスコピーライターの上田です。

セールスコピーライターの仕事には、会社のブログ記事やメルマガなどを代行で執筆することがあります。

今回は、当協会の講師であり、月に10数本の記事制作に関わるセールスコピーライター鈴木恵理さんに、記事作成代行の心得や注意点についてインタビューしました。

記事作成の代行には、受注時のチェックすべきポイントや、執筆時の心構え、そして納品後の対応まで、数多くの要素が関わってきます。

実は鈴木さんは、セールスコピーライターになる前は、SEOコンテンツ制作を請け負う会社で記事を企画し、ライターに発注する仕事をされていました。だから、ライター側だけじゃなく、発注側の気持ちや事情もよくご存知なんですね。

記事制作のノウハウのほかにも、失敗談や成功談も聞いてみました。

これからライターとして活躍したい方はもちろんのこと、外注を考えている経営者の方もいいライターと出会うために、ぜひ最後まで読み、参考にしてください。

記事作成の代行とは?

記事作成の代行とは、忙しい事業者さんの代わりにプロのライターが執筆をすることで、業務の効率化や文章の質の向上を図るサービスです。以下は、記事代行の例です。

・ブログ記事
・メルマガ
・商品説明や商品紹介の文章
・SNS投稿

代理で書くことをゴーストライターともいうので、少し悪いイメージがあるかもしれません。でも、記事作成の代行は当たり前のように行われています。

プロのライターに任せることで、質の高いコンテンツを提供したり、事業者さんは本業に集中することができ、ビジネスの成長を加速することができますよ。

記事作成を代行するときの心得

ここからは、記事作成の代行時に気を付けるべきポイントなどを鈴木さんにインタビューしてみました。

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受注前に確認すること

【上田】 さっそくですが、案件の依頼が来たとき、最初にどんなことを確認していますか?

【鈴木】 最初に確認するのは、納期、執筆ボリューム、単発か継続か、テーマ(ジャンル)、予算ですね。この時点で、自分に合わないものは受注を見送るか、他のライターさんに打診して紹介したります。
特にテーマは重要で、私はスピリチュアル系や美容系は苦手なので受けていません。

【上田】 確かに(笑)鈴木さんはビジネス系やマーケティング、FP(ファイナンシャルプランナー)や簿記の資格を活かした金融系の案件がお得意ですよね。

【鈴木】 そうなんです。上田さんにも、相性のいいテーマってありますよね?

【上田】 はい。私の場合は、ヘルスケアコーチの知識を活かした健康系やスピリチュアル系が得意です。

【鈴木】 あはは、私とは逆ですね。美容・健康・スピリチュアルの案件がきたら、相談させてください。

【上田】 はい!お任せください。
では、受注を進めてOKと判断した後は、どんなことを聞きますか?

記事のターゲットや目的は?

【鈴木】 次に確認するのは、記事のターゲットや目的ですね。どんな読者に向けて書くのか、読者の反応や行動などどのような効果を期待しているのかをしっかり把握することが大切です。

【上田】 確かに、ターゲットや目的によって、記事の内容やトーンが大きく変わってきますよね。他には何を確認しますか?

文章の掲載場所も大事

【鈴木】 掲載先が既存の媒体なのか、新規で作る媒体なのか、新規の記事なのか既存の記事をリライトするのかも確認します。既存の記事がある場合は、そのトーンやスタイルに合わせる必要がありますからね。

【上田】 トンマナ(文体や表記の統一、NGワードなどの確認)も重要ですよね。

【鈴木】 そうですね。特に企業のメッセージやブランドイメージを損なわないようにするために、既存のコンテンツをよく分析します。

例えば、経営者が発信する記事を代筆するときには、その方のよく使う言葉や語尾などもチェックして、違和感がないように調整します。だから納品した原稿を読んで「えー⁉なんか、自分で書いたみたいで怖いw」なんて、言われることもあります。

【上田】 面白いですね(笑)

SEO対策

【上田】 SEO対策をすることもありますか?

【鈴木】 はい、あります。実は、私がセールスコピーライターを目指すことになったきっかけは、SEO記事の作成をする仕事なんです。だから、記事作成=SEO対策という発想をしてしまいます。でも、「気にしていません」という方も結構多くて、最初は戸惑いました。

だから、クライアントがSEOを重視しているかを確認してから、キーワード選定をどうするか、競合調査が必要かどうかなど、突っ込んだ話をします。これによって、記事の内容や構成が大きく変わりますし、その分単価が上がることも説明が必要なので。

▶SEO対策については「今さら聞けない SEOライティングの基本」をご覧ください。

今さら聞けない SEOライティングの基本

価格

【上田】 文章代行するときの、価格はどうしていますか? 

【鈴木】 私の場合、係る工数を基に価格を決めています。
最初は、◯文字◯円とか、テーマ支給の記事なら3000文字XXXXX円というように、自分で基準を持つといいでしょう。それを基に、執筆のボリュームやリサーチの有無、SEOのキーワード選定などで工数を加味して決めます。

【上田】 具体的にはどのように設定していますか?

【鈴木】 例えば私の場合、SEO記事はキーワード調査と構成・執筆で3,000文字35,000円〜で受託していますが、初めて依頼する場合は、お互いに様子を見たいという場合もありますよね?そのときはキーワードを支給いただいて、お試し価格・2記事50,000円〜を提示することもあります。

企業から金額を提示されるケースもありますが、署名記事の場合は実績にもなるので私の広告宣伝費用と考えて、提示された予算で執筆することもあります。

【上田】 柔軟に対応しているのですね。

納品形態や法律に関わる事項は価格にも影響するので要注意

【上田】 価格を決めるときに注意することはありますか?

【鈴木】 はい。2つあります。1つ目は、納品形態です。例えば、ワードやGoogleドキュメントで文章だけの納品でいいのか、WordPressへの入稿やメルマガスタンドでの配信まで希望されるのかどうか。

記事に入れる画像も、「〇〇のイメージを入れてください」とテキストで書けばいいのか、画像を選定する必要があるのかで、記事制作の時間に影響します。

また2つ目は、記事の内容が法律などに関わる場合、最終チェックと責任の所在も確認します。

これら2つを最初に確認しておかないと、後で思わぬ工数が発生し、報酬に見合わないこともあるので注意しています。新人のころ何度か失敗して学びました。

【上田】 なるほど。確かに新人さんは見落としがちな部分ですね。
では、継続の案件のときに、気を付けていることはありますか?

【鈴木】 継続の案件なら、定期的に「編集会議」として、記事のテーマを検討したり、納品した文章の反響などをヒアリングしたりする時間を提案します。月に2本の納品なら、2ヶ月に1回30分から1時間という感じです。
また継続案件は余裕を持っていたいので、常時1本ぐらいのストックを作って対応します。

【上田】 読者のニーズは専門家(クライアント)が把握しているので、タイムリーなテーマで書けるよう、コミュニケーションをとることも大事なんですね。

私も学ぶことが沢山ありました。ありがとうございます。

記事制作代行にまつわるエピソード

記事制作の現場では、多くの学びがあります。成功体験から得るものもあれば、失敗から学ぶことも少なくありません。今回は、鈴木さんに自身の体験談をいくつかお話ししていただきました。

失敗例

【上田】 鈴木さんご自身の経験の中で、失敗談を教えてもらえますか?

【鈴木】はい。得意ではないジャンルの記事を請け負った結果、リサーチに多くの工数がかかってしまったことがあります。クライアントは喜んでくれましたが、私にとっては、時間と労力に見合わないという、残念な案件になりました。

【上田】そうなんですね。私も以前、クライアントの希望する記事のトーンがわからず、何度も修正を求められてしまったことがあります。最初にしっかり確認しておけばよかったと反省しました。

成功例

【上田】逆に成功例と言えるようなエピソードはありますか?

【鈴木】ある事業者からブログ記事を受注しました。その事業者はLINE配信もしていたので、ブログ記事をLINE配信することを提案し、LINE用の文章作成とLINE配信も受託することができました。結果的に報酬が上がり、事業者さんにも喜んでもらえました。

【上田】それは素晴らしいですね!

【鈴木】継続案件として続けられると、安定収入になりますので、相性の良い事業者さんには集客や業務工数削減の提案をすることもあります。

【上田】いい関係を構築して、win-winになれると、嬉しいですよね。鈴木さんの具体的な体験談とアドバイス、とても参考になりました。ありがとうございました。

まとめ

いかがでしたか?

記事作成の代行は、プロのライターに任せることで質の高いコンテンツを提供し、ビジネスの成長をサポートする重要なサービスです。

ライターとして受注される方も、事業者として発注される方も、納期、ボリューム、テーマ、予算、トンマナなどの確認を徹底することが大切です。

また、ライターと事業者で継続的なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、より良いコンテンツを作り上げていくことが、成功の鍵となりますよ。

記事作成代行について相談したい方は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人

セールスコピーライター 上田 祐里江

経理や医療事務、ITインストラクターなどを経験後、心関連の学びを行う中で想いを言葉にできないという壁にぶつかる。そんな時、マーケティングや人間心理に基づくセールスコピーライティングと出会い、言語化するスキルを学ぶと同時にライターへと転身。 現在は、自身の悩みでもあった言語化に悩む起業家へ、みえない価値をみえる化し、売上アップに導く活動を行っている。