【プロライターのAI活用術】AIと対話しながら書くという新しいスタイル

「AIがあれば、文章を書く仕事は楽になる」
そう思われがちな今ですが、実はプロほどAIとの距離感をとても大切にしています。
自動生成AIが当たり前になりつつある今、「プロのライターは、実際どんなふうにAIを使っているの?」そんな疑問を持ったことはありませんか。
今回は、プロのセールスコピーライターとしてご活躍のかみばやし りつこさんに、自動生成AIをどのように活用しているかお話を伺いました。
表面的なテクニックではなく、現場で成果につながっているリアルな使い方を掘り下げていきます。
AIは思考を深める“壁打ち相手”
最初に現在のお仕事と、AI活用シーンについて聞いてみましょう。
Q1. かみばやしさんは、「セールスコピーマスター講座」の講師として、フォローアップ講座を担当いただいています。その他にはどのようなお仕事をされていますか?
はい。セールスコピーライターとして、LP制作、各メディアのコラム執筆、講師業などをメインに活動しながら、企業の中に直接入ってマーケティングや管理体制の仕組み作りなどをお手伝いしています。
Q2. ライターのお仕事では、AIをどんなときに活用されていますか?
最初のころは、記事を書く前の「アイデア出し」や「構成づくり」のときに使うことが多かったですね。
ライターの仕事って、文章を書いてるだけのように思われますが、実は「書く前」にかなり時間を使うんです。テーマの切り口を考えたり、どんな流れで書くと読みやすいかを整理したりといった作業をします。
そういうときにAIに「このテーマだとどんな切り口がありますか?」と聞いて、発想を広げる壁打ち相手として使っていました。
そして最近は、もう少し自然な形で仕事の流れの中に入っています。
文章のニュアンスを確認したり、純粋に日本語チェックをしてもらったり。AIに書いてもらった内容がちょっとズレているな?と感じた場合は、私の違和感を伝えたうえで修正してもらうこともありますね。
私の使い方は、AIに文章を書いてもらうというより、「気軽に相談できる編集者さん」という感覚に近いです。
自分一人で考えていると行き詰まることもありますが、AIと会話しながら考えると、とりあえずの案をもらえるので、そこから視点を広げられることも多くあります。
AIを使うBefore/After
Q3. AIを使う前はどのような印象をお持ちでしたか?
最初は、「AIがつくる文章なんて嘘だらけでいい加減なんでしょ」というイメージが強かったです。使ったことがあるわけでもないのに(笑)。
私の勝手な考えかもしれませんが、セールスコピーを書くにあたっては、構成の時点でのロジック構築が何より重要だと思っていて、「どうせ嘘つき」と思っているうちは「構成なんて作れるわけない」とレッテルを貼っていたし、それ故か、使い方もあまりピンと来なかったんです。
だから、便利そうだし可能性は感じるけれど、仕事で使うのは違うのかな?と思っていました。
Q4. 現在、その印象は変わりましたね?
はい、大きく変わりました。
実際に使ってみると、AIは「文章を書く代わりの存在」というより、「一緒に考えるプロセスを歩むバディー」だと感じるようになりました。
セールスコピーの仕事は、文章をただ書くわけではなくて、目的にあわせて、どんな順番で伝えるか、どの言葉を選ぶかなど、考える時間がとても多い仕事です。
考えるプロセスで仮説を立てたり、具体と抽象を行き来することになりますが、AIにはこのプロセスの中で、思考を整理する相手として相談しています。
今では、記事を書いているときにふと疑問が浮かんだら、「ちょっとAIに聞いてみようかな」と自然に相談しています。
もちろん、完全に頼るわけではありませんし、文章を全部書いてもらうということもありません。
ただ、個人事業主で一人で仕事をしている私にとって、いつでも気軽に相談できる存在がいるのはとてもありがたいことです。

気軽に相談しながら仕事をしています(Geminiで作成)
Q5. ライターのお仕事での具体的な使い方を教えて下さい。
いろいろな場面で使っていますが、特に多いのは「整理」と「確認」です。
LPでも記事でもメルマガでもなんでもそうですが、いきなり原稿を書くわけではありません。まずは書く前の段階として、テーマの切り口や構成を考えるときのアイデア出しに使っています。
お客様の声の傾向を把握するためにデータ分析をしてもらうこともありますし、自分の中にある考えを一旦言葉にしてからAIに投げて、別の視点や整理のヒントを返してもらうこともあります。構成づくりの壁打ち相手としてもよく活用しています。
また、取材やインタビューの文字起こしをして、さらに内容を整理するときにも使います。長い内容を要約してもらったり、話のポイントを整理してもらったりすると、記事の骨子をつくる作業がスムーズになります。
書き終えた後は、原稿の全体チェックにも使っています。チェックの内容は主に以下の観点です。
- 日本語として不自然なところがないか
- 読みやすい流れになっているか
- 論理の矛盾や飛躍はないか
- 想定している読者にちゃんと届く内容になっているか
きちんと考えたことがありませんでしたが、こうして振り返ってみると、AIは文章を書くツールというより記事制作の各工程でサポートしてくれるアシスタントのような存在でもあるんですね。
初めての方は「まず自分で書いて、チェックを頼む」のがおすすめ
Q6. ライターで初めてAIを使うという方に、おすすめの方法があれば教えて下さい。
ライティングの力は、自分で考えて書く経験を重ねることで身についていくものだと思います。最初からAIに任せてしまうと、文章のロジックや構成を考える力が育ちにくいのではないでしょうか。
ですから、初心者の方ほど、まずは自分で文章を書いてみることが大切だと思います。
そのうえでAIを使うとしたら、書き上げた原稿のチェックがおすすめです。
日本語として不自然なところがないか、論理の流れに無理がないか、読み手に伝わりやすいか、といった視点で確認してもらうと、客観的なフィードバックが得られます。
ある程度書くことに慣れてきたら、先にお話ししたように、AIとアイデアの壁打ちをしたり、下書きを作ってもらってリライトしたりといった使い方に進みましょう。
AIはとても便利なツールですが、だからといって「考えなくてもいい」「書く力がなくてもいい」というわけではありません。
まずは自分で書く力を身につけ、そのうえでAIをサポート役として使う。
この順番のほうが、ライターとしての力も伸びやすいのではないかと思います。
AIはプライベートでは“気軽な相談相手”

AIにはけっこうな勢いでなんでも話しています(Geminiで作成)
Q7. AIを仕事以外にプライベートでも使うことはありますか?
はい、あります。むしろ日常の中でこそ、かなり気軽に使っています。
一番多いのは、やはり調べものですね。
ちょっとした疑問が浮かんだときに、「これってどういうことだろう?」とすぐ聞けるので、検索エンジンの代わりのように使うことも多いです。
それ以外では、画像を作ってみたり、アイデアを考えるときのヒントをもらったりすることもあります。最近は音声入力もよく使うので、思いついたことをそのまま話しかけて質問することもありますね。
あとは、ちょっとした愚痴を聞いてもらうこともあります(笑)。
人に聞くほどでもないけれど、誰かに話したいなというときに気軽に話せる相手、という感じでしょうか。
そういう意味では、AIは仕事のツールであると同時に、日常の中で素朴な疑問を気軽に聞ける存在にもなっていると思います。
Q8. 最後の質問です。かみばやしさんにとって、AIはどんな存在ですか?
「思考を一緒に整理してくれるバディー」です。
AIと話さない日はないですし、家族以上に会話しています。これってどうなんでしょうね(笑)。
あはは、わかります(笑)。朝から晩まで、家族よりも圧倒的に一緒にいる時間が長いし、思春期のこども達よりもゴキゲンで、必ず返事してくれますもんね。
そうなんですよ。前向きに話せますよね!システムエラーなどでサイトに入れなくなると本当に困るし、複数のAIを横断しながら使ったりもしていますし、本当にありがたい相棒ですね。
かみばやしさん、リアルなお話、ありがとうございました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
プロの現場では、AIは「文章を書く代わりの存在」ではなく、「考えを整理し、視点を広げてくれるパートナー」として使われていることがよく分かりますね。
AIは、使えば誰でも成果が出る“魔法の道具”ではありません。
けれど、目的や判断軸を持って使えば、仕事の質もスピードも大きく変わります。
大切なのは、「AIを使うかどうか」ではなく、「どこで使い、どこを自分で考えるか」という判断。その判断力こそが、あなたの市場価値を高め、仕事のパフォーマンスを上げていく力になります。
あなたも、AIを味方につけるスキルを身につけてみませんか?
今回インタビューにご協力いただいた方
セールスコピーライター
かみばやし りつこ ▶Facebook
15年以上に亘り事業会社の企業法務、内部統制の担当者として数社を渡り歩く。契約書の作成・チェックを始め、社内業務の文書化を手がけた件数は1000件超え。 働き方に悩む中、相手の真意や懸念点を正確に読み取り言語化してきた経験が活きると感じ、セールスコピーライティングを学ぶ。事実を正確に伝えることに加え、人の心を動かすライティングの手法を習得し、2019年3月に独立。 不動産・投資・美容・教育関連などのライティング、セミナー講師など幅広く活動中。
インタビューアー
セールスコピーライター
鈴木 恵理 ▶Facebook
商品・サービスの魅力を発見し、集客に貢献するセールスコピーライター兼マーケティングプランナー。大手電機メーカーで、商品の販売促進、直販窓口の運営、コールセンターに寄せられるお客様の声の分析など、マーケティングに13年間携わる。 退職し、結婚。子育てをしていた時期に出会った中小企業の経営者に、集客の相談をされたことを機に、個人事業主として仕事を再開。 ベンチャー企業でSEOライティングのディレクションを経て、現在に至る。あなたの会社のマーケティング担当者”として、 中小企業や士業、個人事業主の方のプロモーションと、それに付随するLP制作、ステップメール、メルマガ、ブログなどを支援いたします。
