信頼される美容・健康記事を書くには?初心者ライターが知っておきたい「根拠」と「薬機法」の基礎

こんにちは、セールスコピーライターの上田です。
美容や健康の記事は、興味がある方にとっては書くのが楽しい反面、「本当に正しい情報なのかな?」と不安になることもありますよね。私もライターを始めたばかりの頃は、同じ不安を抱えていました。
しかし、GoogleがYMYL(Your Money or Your Life)として検索品質ガイドラインでも触れているように、特にこの分野は、読者の生活や身体の健康、安全に直結するからこそ、信頼性が何よりも大切です。
今回は、そんな不安を解消し、自信を持って書けるようになるための「根拠」の示し方と、知っておきたい法律(薬機法)の基本を分かりやすく解説します。
信頼される記事に必要な「根拠」とは
美容や健康の記事が、クライアントや読者から信頼を得るためには、しっかりとした「根拠」を示すことが不可欠です。そのために最優先で意識しておくべきことをお伝えします。
「個人の感想」だけでは説得力に欠ける
「個人の感想」だけでは、記事の説得力は下がってしまいます。なぜなら、個人の体験に限定されたもので、すべての読者に当てはまる保証がないからです。
例えば、「1ヶ月で3キロ痩せた」という感想も、元の体重が80キロの人と50キロの人では効果の出方が異なります。
美容や健康に関する情報は個人差が大きい分野のため、個人の感想をメインに据えると、読者を誤解させるリスクにつながります。
論文・研究データ・公的機関の情報などを活用する
信頼性の高い記事を書くためには、公的な情報源を活用することが重要です。
例えば、論文や公的な研究データ、学会誌は専門家によって検証されているため、非常に信頼性が高いでしょう。
さらに、医師の推薦や監修も、記事に説得力を持たせるための有効な手段です。
これらの情報源を適切に引用することで、読者に安心感を与えられます。
栄養学や医学情報をやさしく伝えるコツ
専門的な情報を扱うからといって、難しく書く必要はありません。むしろ、難しい情報を、いかにやさしく伝えるかがライターの腕の見せ所。
ここでは、誰にでも分かりやすく伝えるためのコツをお伝えしますね。
専門用語をかみ砕いて説明する
例えば、「抗酸化作用」や「コラーゲン生成促進」といった言葉。美容・健康業界では当たり前でも、初めて目にする読者にとっては「?」ですよね。
そこは、「抗酸化作用とは、体のサビつきを防ぎ、若々しさを保つ働きのことです」といったように、読者が理解しやすい言葉に置き換えてあげましょう。
難しい内容は身近な例え話に置き換える
複雑な仕組みや難しい概念は、身近な例え話を使うと理解が深まります。
例えば、「体の中の水分量が不足すると、肌のハリが失われます。これは、風船から少しずつ空気が抜けていくのと同じようなもの」と表現すると、イメージしやすくなりますよね。
図解や箇条書きで読みやすさを意識する
文章だけでは伝わりにくい情報は、図解や箇条書きを活用しましょう。特に、成分の働きや栄養素の役割など、情報を整理して伝えたいときに効果的です。
また、図やイラストを添えることで、視覚的に訴えることもできます。
正確な情報源を探して出典を明記する
美容・健康分野の記事で重要なことの一つが、「正確な情報源」の選定です。
公的機関・論文・学会誌など、信頼性の高い情報を使う
情報源を探す際は、公的機関、論文、学会誌といった信頼性の高い情報を優先的に使いましょう。
これらの出典を記事の末尾や該当箇所に明記することで、読者は「この情報は根拠に基づいている」と安心してくれます。
SNSや個人ブログは参考程度にとどめる
一方で、SNSや個人ブログは、情報収集のメインソースとしては不向き。
これらの情報は、検証されていないものや、個人の主観が強く反映されていることが多いからです。
ただし、ターゲットがどのような言葉を使い、何に興味を持っているかを探る上で有効なツールになります。
情報源としてではなく、「読者の言葉」を探すためのツールとして活用しましょう。
「薬機法」って何?ライターが知っておきたい基本知識
薬機法とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のことです。
この法律は、医薬品、医療機器、化粧品などの品質や有効性、安全性を確保するためのもの。製品やサービスについて、名称、製造方法、効果、効能、性能に関して、虚偽または誇大な表現を広告や記事で使うことを禁止しています。
ライターが書く文章もこの規制の対象になるため、「〇〇に効く」「必ず治る」といった断定的な表現は、明確な根拠がなければ薬機法違反になるおそれがあります。
受注するときには責任の所在を明確にしよう
実際にどこまで書けるかの判断はクライアント側が行うことが多いですが、ライターも法律があることと、その概要を知っておくだけで、トラブルを避けやすくなります。
また、薬機法への対応はライターが責任を持つのか、クライアント側(法務チェックや監修者の明記など)または外部サービスに委託するのか、責任者を事前に確認してから受注するのがおすすめです。
法律について、もっと詳しく知りたい方は厚生労働省HPなどをご覧ください。
信頼される美容・健康ライターを目指して
ここまでお話ししてきたように、専門知識が完璧でなくても、ちょっとした工夫で読者からの信頼を得る文章を書くことは可能です。
読者目線を忘れず、正確でわかりやすい文章を
常に、読者が知りたいことや不安に感じていることを考えながら記事を書きましょう。
専門的な情報も、読者目線でわかりやすく、正確に伝えることが大切です。
不明点はクライアントに確認してから執筆する
記事の方向性や表現に迷ったら、遠慮せずにクライアントに確認しましょう。
分からないことをそのままにせず、確認する姿勢は、クライアントからの信頼にもつながります。
執筆後のセルフチェックを習慣にしよう
クライアントとの連携に加え、自分で薬機法に違反する表現がないか確認する習慣をつけましょう。
私も過去の苦い経験から、責任の所在に関係なく「効果・効能の断定的な表現」や「根拠のない最上級表現」がないかなど、提出前に必ずセルフチェックをしています。
このひと手間が、トラブルを未然に防ぐと同時に、信頼関係を築くことにも繋がります。
まとめ
美容・健康分野の記事で最も大切なことは、「根拠」と「正確性」です。
公的機関や論文といった信頼できる情報源を使い、その出典を明記すること。
そして、薬機法などの法律にも気を配ることで、読者はもちろん、クライアントからも信頼されるライターになれるでしょう。
この記事を書いた人
セールスコピーライター
上田 祐里江
経理や医療事務、ITインストラクターなどを経験後、心関連の学びを行う中で想いを言葉にできないという壁にぶつかる。そんな時、マーケティングや人間心理に基づくセールスコピーライティングと出会い、言語化するスキルを学ぶと同時にライターへと転身。
現在は、自身の悩みでもあった言語化に悩む起業家へ、みえない価値をみえる化し、売上アップに導く活動を行っている。