現役キャスターが教えるインタビュー記事作成の3つのステップとコツ

インタビュー記事を作成するとき、「どんな準備をすればいいの?」「質問の深掘りができなかったらどうしよう」「相手の本音を引き出すことができるだろうか」などの不安を覚える方は多いのではないでしょうか?

実は、私自身もそうでした。私はテレビ局のキャスターとしての取材経験が多いことから「石上さんなら、インタビューもできるでしょ!」とご依頼いただくことがあります。
でも、「取材」と「インタビュー」とは似ているようで、実は目的やスタイルに違いがあるのです。


「取材」は、情報収集を目的とした広範な聞き取りであるのに対し、「インタビューは」“人物”に焦点を当てて、相手の考えや経験、価値観を引き出すことに重きが置かれます。

しかし「取材」でも「インタビュー」でも「準備で8割が決まる」「聞く力が大切」というような基本的な姿勢は変わりません。

この記事では、「人物の話を掘り下げて聞き、魅力ある記事に仕上げたい」という方のために、3つのステップに分けて、インタビューのコツをお届けします。

ステップ1.インタビュー前の準備:話を“引き出す”ための土台作り

私が新人キャスターだった頃、先輩から「取材は準備が8割」と言われ、事前準備の大切さを教えられました。これは、インタビュー記事でも同じです。準備をする上で欠かせないポイントをお伝えします。

ゴール(記事の方向性・読者像)を明確にする

「準備」というと、相手についてリサーチすることがメインとなりがち。もちろんリサーチも大切ですが、そもそも「どんな記事にしたいのか」「誰に届けたいのか」という方向性を明確にすることから始めましょう。

相手の基本情報+意外な一面をリサーチする

相手のプロフィールや、今手がけている事業など、基本的な情報を集めることは言うまでもありません。プラスアルファとして、雑談でも使えるような、相手の意外な一面を知っておくと、話を進めやすくなります。

私の場合、お堅い仕事に就いている方が、実は推し活に夢中になっているという情報をSNSで入手し、その話をしたところとても盛り上がり、インタビューをスムーズに進めることができました。

 想定質問リストは作るが、話が脱線することを恐れない

インタビューにあたって、質問リストを作る人も多いでしょう。私も用意していますが、そのリストから離れて、話が脱線することを恐れないようにしています。話が脱線したからこそ、聞き出せる本音やエピソードがあるからです。

ただし、記事を書くために必ず質問しなければならないことは、事前にきちんと押さえておきましょう。

ステップ2.インタビュー本番:「質問力」より「聞く力」

インタビューというと「鋭い質問をしなければならない」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、本当に必要なのは「質問力」より「聞く力」。これはインタビューに限らず、普段の会話にも活かせるスキルです。

相槌や表情を意識し、話しやすい空気づくりを

「インタビューが上手い」と言われている人に共通すること。それは、相手が話しやすい空気を作れることです。ある先輩キャスターは、相槌のタイミングが抜群でした。「はい、はい」と細かく相槌するのではなく、ゆっくり、深くうなずいてくれるのです。「この人なら、私の話を聞いてくれる」という安心感を与えてくれました。最近はオンラインでのインタビューも増えているので、ご自身の相槌や表情について、録画してチェックしてみると良いでしょう。

「間」を怖がらない

インタビュー相手によっては、考えるのに時間がかかるタイプの方もいます。どうしても「間(ま)」が出来てしまいますが、そこでさらに質問を重ねてしまうと、相手にプレッシャーを与えてしまいます。「間」が出来るのは当たり前、というゆったりした気持ちで構えるようにしましょう。

話がそれたときの戻し方

先ほど「話が脱線することを恐れない」とお伝えしましたが、明らかに本来の目的とは違う方向に脱線してしまうこともありますよね。そんな時は、早めに本筋に戻すことが必要です。「もっとお聞きしたいところですが…」とお断りした上で、聞くべき質問を投げかけるようにしましょう。

ステップ3.インタビュー後:読者に伝えたい「軸」を元に構成し執筆

無事にインタビューを終えたら、いよいよ執筆に入ります。ここでポイントとなるのは、得られた情報をすべて「詰め込む」のではなく「絞り込む」ことです。

 印象に残った言葉を軸に構成する

インタビューで聞いたことすべてを記事にしようとすると、情報過多になってしまいます。そこでオススメするのが、「印象に残った言葉を軸にした記事」にすること。インタビュー相手の熱量が特に高くなった言葉をメモしておくと、記事を書きやすくなりますよ。

「ゴール」を踏まえ、読者に伝えるべきメッセージを絞る

インタビューの内容を記事にすることに夢中になりすぎると、そもそもの記事作成の目的を忘れてしまいがちです。記事にする前に、ステップ1でもお伝えした「ゴール」を思い出しましょう。「誰に、どんなメッセージを伝えたいのか」を明確にしてから記事を書くと、伝わりやすくなるでしょう。

記事の冒頭に惹きつけるフレーズを

インタビュー記事に限ったことではありませんが、記事のタイトルや冒頭に読者が「読んでみたい!」と思うようなフレーズを必ず入れます。
実際にインタビューをしてみて気づいた「見た目と中身のギャップ」や「経歴からは想像できない普段の姿」など、意外性のあるフレーズを入れられると、興味を持ってもらうことができますよ。

まとめ:プロも意識している3つの原則

今回は、インタビュー記事作成の3つのステップについてご紹介しました。

・準備:リサーチや質問リスト作りだけでなく、記事の「ゴール」を明確にする

・本番:相手が話しやすい空気づくりを心がける

・執筆:印象に残った言葉を軸に、伝えるべきメッセージを絞る

プロとして15年以上が経ちますが、私もいまだにインタビューは緊張します。しかし、出来上がった記事をご覧になったインタビュー相手に感謝されたり、読者に意図したメッセージが伝わったりしたときの嬉しさは格別です。

今回お伝えしたポイントを意識して、ぜひインタビュー記事作成に取り組んでみてくださいね!

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この記事を書いた人

セールスコピーライター/気象予報士/キャスター
石上 沙織 ▶Instagram

愛知県出身。NHK岐阜・名古屋のキャスターを経て、気象予報士に。TBSやフジテレビ、テレビ東京の番組に出演するほか、新聞の原稿作成やコラムの執筆なども担当し、一貫して「話す」「書く」=「伝える」仕事に携わる。「伝える」スキルをビジネスに活かしたいと考え、セールスコピーライターに。テレビ・ラジオなどの番組に出演しながら、ライターとしても活動の幅を広げている