「言いたいことが伝わらない」を相手目線の言葉選びで改善
こんにちは。
セールスコピーライターの鈴木絢乃です。
突然ですが、このような経験をしたことはありませんか?
「思っていることが相手に正しく伝わっていない」
「言いたいことが上手く伝えられない」
相手に伝わらないのは、あなたが相手の立場に立っていないからです。
たとえば、ある家電メーカーが新しい洗濯機の宣伝をしたところ、お客様には新製品の良さが全く伝わらず売れませんでした。
なぜなら、家電メーカーは競合の製品を意識しすぎるあまり、洗濯機の機能や性能にばかり焦点を当てて宣伝しており、お客様が抱える日常生活の課題や悩み、欲求には触れていなかったからです。
その結果、お客様はその洗濯機には興味を持たず、商品が売れないという状況になりました。
このような事例からも分かるように、相手の立場に立って話すことが重要であり、相手のニーズや関心事に焦点を当てることが成功の鍵です。
今回のコラムでは、相手に言いたいことが伝わるために必要なことを紹介していきます。
相手の立場に立つとは?
商品やサービスをお客様に販売する際、単に自社の製品やサービスの特徴や性能をアピールするだけでは売れません。
売れるためには、商品やサービスにより、お客様の欲求や悩みを解決すること、得られる未来やメリットを相手に見せる必要があるのです。
このようなアプローチを取ることで、お客様が商品やサービスに興味を持ち、購買意欲を高めることができます。
そのためには、まず相手の立場に立つことが重要です。
相手の欲求や悩みを理解し、それに合った訴求を行うことが不可欠です。
ペルソナを設定して相手のBDFを考える
ペルソナとは、製品やサービスを利用する最も理想的な架空の顧客像のことです。ペルソナを設定する場合は、実際にその人物が存在しているかのようにします。
年齢、性別、職業、居住地、結婚の有無などの家族構成、趣味、価値観、年収、1日の過ごし方など細かく設定します。
ペルソナを設定することで、お客様がどんな悩みを持ち、どんな欲求があるのかをリサーチしやすくなるからです。
また、欲求や悩みを理解するためには、ペルソナのBDFを考慮する必要があります。BDFとは、Belief(信念)、Desire(欲求)、Feeling(感情)の頭文字を取ったものです。
Belief:思い込み、固定概念
「ペルソナはどんな思い込みをしているか?」
Desire:欲求、願望
「ペルソナはどんな欲求・願望があるか?」
Feeling:感情、心理状態など
「ペルソナはどんな不安・不満があるか?」
この3つをリサーチすることで、ペルソナの考えていることが言語化できるようになります。
商品やサービスを説明しようとするとき、万人受けの説明だと人の心は動きません。
しかし、たった一人の人(ペルソナ)に向けて説明すると、強いメッセージ性を持ち、その人の心を動かします。
その結果、「なんで私の思っていることわかるの?」と感じ、目に留めてもらいやすくなります。
お客様の本音を知るためには、アンケートも有効です。
商品・サービスの訴求は悩みを解決できる言葉になっていますか?
商品やサービスを宣伝する際、これらがお客様の悩みを解決するかどうかが重要です。
人は、自分の問題を解決してくれる商品やサービスに興味を持ちます。
そのため、単に商品やサービスの特徴や利点を伝えるだけでなく、お客様の欲求や悩みをどのように解決するのかを示すことが大切です。
たとえば、最初に示した洗濯機の例で説明します。
簡単にペルソナ設定すると、
・共働き夫婦35歳、1児(1歳)のママ
・来月から育休明けで仕事復帰予定
・仕事復帰後は8時に出勤し、子どもを保育園に迎えに行き18時に帰宅
・夫の帰宅は遅いので、帰宅後はご飯、お風呂、寝かしつけと忙しい
このペルソナのBDFは、
・家事の負担をできるだけ少なくしたい
・洗濯物にアイロンをかけるのはめんどくさい
・就寝中に洗濯は終わらせたいけど、音がうるさいのは嫌
・洗濯物は乾燥まで一気に終わらせたい
・家事に不慣れな夫でも操作ができる簡単なもの
これらを考慮したとき、次のAとBの説明の場合、どちらに興味を示すと思いますか?
【A】
洗濯は約45分、洗濯乾燥は最大2時間25分!
運転音は洗濯では約34dB、乾燥は約48dB!
電気代は洗濯約60wh、乾燥は約1590wh!
【B】
快速コースは洗濯〜乾燥まで2時間で完了!
運転音はささやき声レベルのため、夜も静か!
シワを伸ばして綺麗に仕上げるため、アイロン不要!
このペルソナが興味を示すのは、Bではないでしょうか?
Aは洗濯機について説明していますが、専門用語もあり、自分事になりづらいです。
一方、Bのように日常生活の悩みや欲求に焦点を当て、身近な言葉だけを使うとどうでしょうか?
ペルソナが直面する家事の課題解決を提案することで、この製品に興味を持たせることができますね。
伝わらない問題を解決するためには相手の立場に立ち、相手の悩みや欲求に焦点を当てた訴求を行うことが重要です。
そうすることにより、商品を売り込まなくても、相手が「欲しい」と思わせたら勝手に売れることになります。
セールスコピーライターは言葉選びのプロ
セールスコピーライターは、ペルソナに適した言葉で商品やサービスの魅力を伝えられるので、紙の上のトップセールスマンを生み出す人ともいわれています。
ただ文章を書くのではなく、100の価値があるものを100伝えきることができるスキルを身につけた、言葉選びのプロなのです。
またセールスコピーライターには、ライティングだけではなく、マーケティング、ヒアリング、リサーチの全てのスキルも必要です。
セールスコピーライターに興味がある方に向けて、現在プレセミナー&説明会をしております。
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※2024年6月より「セールスコピーマスター講座」へ名称変更いたしました。
この記事を書いた人
セールスコピーライター 鈴木 絢乃 ▶Facebook
6年制課程薬学部を卒業後、薬剤師としてドラッグストアの調剤薬局にて11年間勤務。 結婚・妊娠を機に、ワークライフバランスを考えるようになり、セールスコピーライティングを学び、薬剤師兼ライターとして活動開始。「どんな状況でも自立した女性」をモットーに活動。1児の母としても日々奮闘しながら、現在は医療系サイトのコラム、求人原稿などを執筆している。