【2025年版】ライターの確定申告ガイド|副業・専業別の判断から節税までFPがやさしく解説

この記事では、2025年度のライター業など、フリーランスの収入に対して確定申告をするかどうかを迷っている方に活用いただくために、AFPと簿記の資格を持つライター・鈴木恵理が、下記の情報をわかりやすく解説します。
- そもそも確定申告とは?私に必要なの?
- 副業/専業ライターの確定申告
- ライターにおすすめの節税方法
- 確定申告の流れ
- 青色申告、白色申告って何が違うの?
今は、税務署に行かなくても、家でスマホから確定申告(e-TAX)ができる時代です。
「確定申告って、何をどうしたらいいの?」
「私は確定申告が必要なの?」
「できる節税があれば利用したい」
「ライターじゃないけど、確定申告について知りたい」
ひとつでも当てはまる方は、ぜひ読み進めてください。
尚、この記事は、2025年12月29日時点の情報で書かれています。最新の情報は、必ず国税庁HPや税務署、税理士等に確認してくださいね。
そもそも確定申告ってなに?必要なのはどんな人?

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の個人の所得を計算し、そこから納税額を算出して、税金を正しく納めることです。翌年の3月15日までに、住所地のある税務署に申告書を提出します。
2025年度の所得については、2026年3月15日までに終える必要があります。
そして、確定申告が必要な人の主な条件は下記です。
【ライター業などフリーランスに特化した条件】
・ライターが本業の人
・会社員等で、ライター業など副業の利益が20万円以上ある人
【一般的な条件】
・給与の年間収入が2,000万円を超える人
・給与を2箇所以上から受けていて、年末調整されていない分がある人
・医療費や住宅ローンなどの控除(減税)を受けたい人
・株式等で損失が出た人(申告をすることで次年度の利益から損失分を繰り越せます)
確定申告で税金が戻ることもある
確定申告の目的は「税金を正しく納めること」なので、税金を払い過ぎている人は、確定申告をすることで、還付金として返金してもらえます。
例えば、6月までは会社員をしていて退職。その後、フリーランスになった場合、6月までは前年の年収をもとに計算された税金を給与から天引きして納めています。そのため、会社員のときよりもフリーランスの稼ぎが低いときには、払いすぎた税金が戻ってくるのです。
副業ライターの確定申告【会社員やパート、主婦(主夫)など】
会社員やパートの収入について、会社で年末調整をしていれば、副業分の収入が20万円を超える場合に、副業分の確定申告をします。また、主婦(主夫)の場合でも、ライター収入が20万円を超えるときには確定申告をします。
このとき、開業届を出していれば事業所得、出していなければ雑所得となりますが、ライター業以外にも雑所得がある場合には、それも含めて20万円を超えるかという判断をすることにご注意ください。雑所得については、国税庁HP:雑所得をご覧ください。
【計算式】
副業分の収入(利益) = 副業の報酬 − 経費
扶養に入っている場合の注意点
扶養には、税法上の扶養と社会保険の扶養があります。副業分の収入が48万円以上の場合には税法上の扶養から外れる(被扶養者の扶養控除が減る)ことになります。
また、社会保険の扶養については、被扶養者の加入している健康保険組合の判断によるので、収入が増えそうであればボーダーラインを確認しておくのがおすすめです。
社会保険については、下記の記事もご覧ください。
【社労士が解説】ライターが知っておきたい社会保険(健康保険と年金)の基本
住民税で会社に副業がバレる?よくある誤解
会社員の場合、確定申告をすると「会社に副業がバレる」と心配される方もいます。副業の収入があることを会社に知られたくないときは、副業分の住民税を「自分で払う」を選択することで、会社に副業収入を知られるリスクを逓減できます。
尚、会社が副業を届出制にしているときは、副業収入の過多にかかわらず、必ず申請をしておきましょう。
専業ライター(フリーランス)の確定申告の基本

ライター業などフリーランスとして働いている方は、原則として確定申告をします。開業届の他、「所得税の青色申告承認申請書」を提出することで、最大65万円の特別控除を受けることができますよ。
1年間の収入と支出をまとめておき、得られた収入(報酬)から、かかった経費を差し引いて事業所得を算出します。
【計算式】
事業所得(利益) = ライター収入 − 経費
利益がマイナスでも確定申告はするべき?
利益が少額やマイナスの場合でも、確定申告をするのがおすすめです。理由は、青色申告*事業者の場合、損失(マイナス)を3年間繰り越せるからです。つまり、今年のマイナス分を、来年以降の利益から引けるようになるのです。
(*後半の【事業所得の「青色申告」と「白色申告」の違い】でご説明しています。)
事業所得と雑所得の違いは?
大きな違いは、開業届を提出してライターを事業として行っているか否かです。
日本では、所得を①給与 ②事業 ③利子 ④配当 ⑤譲渡 ⑥不動産 ⑦一時 ⑧退職 ⑨山林 ⑩雑所得の10種類ごとに計算するルールのため、事業じゃない場合のライター報酬は⑩雑所得になります。
事業所得と雑所得は、どちらも経費を使えます。しかし、利益ではなく損失が発生した場合に、事業所得であれば他の所得と損益通算をできるというメリットがあります。
【事業所得と雑所得の違い】
| 項目 | 事業所得 | 雑所得 |
|---|---|---|
| 開業届の提出 | 必要 | 不要 |
| 確定申告 | 必要 *1 |
20万円以下の場合は不要 *2 |
| 他の所得との損益通算 | 可能 | 不可 |
*1:事業所得が48万円以下の場合にはしなくても良いという指南書もありますが、損益通算ができるので、マイナスの場合でもしたほうが良いという意味で必須と記載しております。
*2但し、雑所得が20万以下でも、他の所得の申告や控除(医療費・住宅ローンなど)を受ける場合には、確定申告をします。
開業届の出し方は、国税庁HP:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続をご覧ください。
ライター向け|今日からできる節税の基本

最初に、「節税」と「脱税」は全く違います。「節税」とは、税制で許されている範囲で、収める税金が少なくなるよう工夫することです。一方、「脱税」は売上を少なく申告して納める税金を減らしたり、納めないようにしたりする違法行為です。脱税が見つかると、納めるべき税金に加えて、延滞税などの罰則金を支払ったり、刑事罰を受けたりするので絶対にやめましょう。
節税の基本は、収入と経費を正しく集計しておくことです。普段、コンビニ等のレシートはすぐに捨てているかもしれませんが、執筆に必要な本を買ったり、コーヒーショップで打ち合わせをしたりした場合は、経費にできるのでレシートを保存しておきます。
ライターが経費にできるもの
下記は、経費として認められています。尚、開業届を出す前に受講した講座などについても、「開業費」として認められることがあるので、必ず領収書を保存しておきましょう。
- 家賃、通信費:自宅を仕事場として使っている場合、一部を経費にできます。家事按分といい、全体を100%としたときに仕事とプライベートの割合を決めて、計上します。
- 新聞図書費:取材や執筆に必要な書籍や雑誌の費用
- 消耗品費:仕事に必要なパソコン、ICレコーダー、文房具などの費用
- 旅費交通費、会議費:取材や打ち合わせで外出したときの交通費や、コーヒー代など
- 研修費:スキル習得のための講座費用
- その他:ソフトウェアの代金や、月額サービスの利用料
FPの視点でおすすめ!節税制度の活用と資産形成

ここでは、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点でライターやフリーランスにおすすめの、節税制度の活用と資産形成をお伝えします。
ライター仲間からも、「知らなかった」「手続きが面倒そうでやってなかったけど、お得だから始めます!」という声が聞かれ好評です。
その1:控除を利用した資産形成(小規模起業共済、iDeco)
控除とは、社会政策上の要請や、納税者の個人的事情に配慮した制度で、所得から差し引いて税負担を軽減するものです。医療費などの実際に発生した費用に対して軽減される「物的控除」と、扶養する親族に関わる「人的控除」があります。該当すれば、所得から引くことができるので、さっそくチェックしていきましょう。
【物的控除1】
- 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業や個人事業主向けの退職金のようなもの
- iDeCo(イデコ):国民年金基金連合会が運営する私的年金制度
小規模企業共済は、将来のために貯めた金額(月額1,000円から70,000円のため年間最大84万円)の全てを所得から控除できます。生活資金に余裕のある方には、おすすめです。小規模企業共済については、こちらをご覧ください。
また、iDeCo(イデコ)では、節税しながら老後の資産を形成することができる会社員の厚生年金のようなものです。年金なので、原則60歳まで引き出せませんが、個人事業主は月額6.8万円(年間最大81.6万円)を掛金にして、全額を所得から控除できます。
iDeCoについて詳しくは、こちらをご覧ください。
両方を併用すれば、165.6万円を控除することができるので、未加入の方は検討する価値がありますよ。
その2:物的控除の利用
物的控除には、他に下記のものがあります。
【物的控除2】
- 雑損控除:災害などで家屋等の資産に損失が発生したとき
- 医療費控除:医療費10万円以上(所得200万円以下の人は所得の5%以上)または医薬品を12,000円以上負担したとき
- 社会保険料控除:国民年金、健康保険の自己負担分
- 生命保険料控除:生命保険、医療保険、個人年金保険の掛け金の一部
- 地震保険料控除
- 寄附金控除:ふるさと納税など
病気やケガ、出産などで医療費が多くかかった年には、面倒でも申請をすることで医療費控除を受けることができます。また、社会保険料は自分以外に家族分を負担している場合にも、対象となります。
いずれの場合も、医療費明細や支払い証明書、保険料の納付書など、金額がわかる書類を保管しておきましょう。
その3:人的控除の利用
人的控除は、条件に当てはまるものがあれば年末調整や確定申告のときに適用できます。お子さんの年齢や、家族構成の変化によっても変わるので、毎年確認してください。
【人的控除】
- 障害者控除:ご自身または配偶者、扶養親族が障害者の場合
- 寡婦控除:夫と死別し、または離婚した後婚姻をしていない人で、扶養する子のいる人
- ひとり親控除:ひとり親で、扶養する子のいる人
- 勤労学生控除:働きながら学校に在籍している人
- 配偶者控除、配偶者特別控除
- 扶養控除:16才以上の親族を扶養している人
- 基礎控除
障害者控除以外の人的控除には、本人または扶養親族の所得金額による制限があります。
それぞれの控除について詳しくは、国税庁HP:所得控除のあらましを参照してください。
確定申告の流れ|ライター向け5ステップ

ここからは、確定申告をする人向けに、解説していきます。
「今回は確定申告をしない」という方は、次回の参考にしてください。
おおまかな流れは、次の5つのステップです。
- 帳簿をつける
入金(収入の入力)、出勤(使った経費の入力)を管理します。会計ソフトを利用するのがおすすめです。 - 10種類の所得ごとに1年間の収入と経費を集計し、収入−経費で、所得金額を出す
(①給与 ②事業 ③利子 ④配当 ⑤譲渡 ⑥不動産 ⑦一時 ⑧退職 ⑨山林 ⑩雑所得) - 支払った社会保険料、保険料、個人年金(iDeCoなど)、住宅ローン、医療費など、控除の申請に必要な金額がわかるものを用意
- 確定申告のフォームに入力し、申告書類を作成し、住所地のある税務署に3月15日までに提出をする。
e-Tax(イータックス)を利用すれば、自宅からパソコンやスマホで提出できます。 - 納税・還付(戻って来る金額)を確認
シンプルに言えば、確定申告に必要な書類と数字を集めて、フォームに入力して提出するだけなのです。
しかし、初めての方にとっては、難易度の高い無理ゲーのように感じてしまうかもしれません。私も最初のときは「初めての確定申告」的なガイド本を読んで、ドキドキしながら書類を提出しました。
でも、案ずるより産むが易し。実際に手を動かしてみれば、それほど難しくはありません。会計ソフトを使えば、入力していくだけで確定申告に必要な帳簿や申告書も作れますし、会計ソフトの費用は経費にできます。「誰かに聞きたい」という方は、近くの税務署で相談に乗ってもらえるので、利用してみてくださいね。住所地のある税務署は、こちらで調べられます。
おすすめの会計ソフトは?
私が利用しているのは会計freee(フリー)です。わからないことがあっても、チャットで聞いて解決できる点、手順に従って入力すれば、確定申告の書類を作成し、そのまま提出が完了する点が気に入っています。
その他、下記のようなソフトがあるので、ご自分にあったものを探してみてください。
- マネーフォワード:自動化・連携が強力で取引が多い人向け
- やよいの青色/白色オンライン:「弥生会計」のオンライン版
- クラウド円簿:1年間の無料プランがある
事業所得の「青色申告」と「白色申告」の違い
事業所得の確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。青色申告をするには、「青色申告承認申請書」を提出します。そして、日々発生するお金のやりとりを帳簿に残すなど、少し手間をかけることで、最大65万円の特別控除を受けることができるのです。控除は事業所得(利益)からそのまま引くことができるため、税金を計算する基になる金額を下げることができて、節税にもなりますよ。
その他にも、以下のメリットがあります。
- 青色事業専従者給与(専任で手伝う家族に賃金を払い、経費にできる)
- 貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)を経費にできる
- 純損失の繰越し(翌年から3年)、前年への繰戻しができる
もっと詳しく知りたい方は、国税庁HP:青色申告制度をご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
数字に苦手意識をお持ちの方でも、文章の読み書きができて、情報整理が得意なライターであれば、確定申告の作業は難しくありません。
日頃からお金の出入りをこまめに記録し、早めに準備をしておけば、わからないことがあっても、税務署や税理士に相談をする時間的な余裕ができますよ。
当講座では、プロのセールスコピーライターとして必須スキルが身につくのはもちろんのこと、確定申告や簿記など、フリーランスとして知っておきたい内容のセミナーも随時開催しています。
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この記事を書いた人
セールスコピーライター
鈴木 恵理 ▶Facebook
商品・サービスの魅力を発見し、集客に貢献するセールスコピーライター兼マーケティングプランナー。AFP資格と簿記2級も保有しているため、金融系のライティングも得意。大手電機メーカーで、商品の販売促進、直販窓口の運営、コールセンターに寄せられるお客様の声の分析など、マーケティングに13年間携わる。 退職し、結婚。子育てをしていた時期に出会った中小企業の経営者に、集客の相談をされたことを機に、個人事業主として仕事を再開。 ベンチャー企業でSEOライティングのディレクションを経て、現在に至る。あなたの会社のマーケティング担当者”として、 中小企業や士業、個人事業主の方のプロモーションと、それに付随するLP制作、ステップメール、メルマガ、ブログなどを支援いたします。

