ライターは仕事を断れば断るほど案件が殺到する!?
こんにちは。セールスコピーライターの石井です。
今回、私はセールスコピーライターが案件を獲得できる秘訣についてお伝えするつもりでした。
しかし、すでに案件獲得の秘訣については当協会のコラムでお伝えしたことがありますね……。
どうしようかと思ったのですが、悩んだ挙げ句、「では、仕事を断ることについて書こう」と思いつきました。
なぜかというと、仕事を断る勇気を持つことで、心の平安を保つことができ、しかもかえって高単価の案件を獲得しやすくなるためです。
さらに、継続的にお付き合いできるクライアントさんが増えていくので、自然と営業しなくても仕事に困らない状態になっていきます。
【真空の法則】仕事を断っても、別の仕事が舞い込んでくる
経営者の方とお話すると、次のような話をよく聞きます。
自分の会社の売上の3割を占める大口のクライアントがいる。
しかし、そのクライアントがとても嫌な人で、余計な労力を取られ、心もすり減らしていた。
ある日、そのクライアントがあまりに理不尽な要求をしてきたので、私は「もう耐えられない」と思い、契約を切ってしまった。
切った直後は売上が3割減ったので少し後悔していたが、すぐに売上が減った分を補えるクライアントと契約できた。
しかも、弊社にとって理想的なクライアントばかり。おかげですぐにV字回復できたばかりでなく、ストレスなく仕事ができるようになった。
ある場所に空間ができると、埋めるように何かが入ってくる。
これを真空の法則と言いますが、「お客様との契約が終わったと思ったら、次のお客様が入ってきた」という話はよく聞く話です。
これはコピーライターでも同じことが言えます。
経験と実績があれば、「離したくない」「いずれお願いしたい」と思っている見込み客は、あなたが思っている以上にたくさんいるはず。
「なんか嫌な予感する」「安いなあ。もっともらえないの?」と思ったら、思い切って断る勇気も必要です。
仕事を断ったとしても、「真空の法則」で別の仕事がすぐに入ってきます。
もちろん、デビューしたばかりであれば、実績を積むという意味で、なるべく仕事を請けることも必要です。
ただ、デビュー直後であっても、地雷案件に捕まって心をすり減らすようなことは避けないといけません。
何かとめんどくさいことになって、良い仕事になりませんから実績としても使えません。しかもお金がもらえないなどのトラブルに発展しやすくなります。
何か嫌な予感がしたら、「真空の法則」を思い出しましょう。
【地雷案件を防ぐ】仕事を断る4つのケース
では、仕事の依頼が来たとき、地雷案件を防ぐために、どの案件を引き受けて、どの案件を断るか。
クライアントとの一般的に断った方が良いと思われるケースを、いくつかお話します。
ただし、何といっても重要なのは、あなたとクライアントとの相性で、相性は人によって違ってきます。
交渉の現場では、自分の直感も頼りにしながら、総合的に判断してください。
極端に安価なケース
言うまでもなく、極端な安価なケースは断るべきです。
安価な案件ばかり引き受けては疲弊してしまいますし、モチベーションも上がりません。
また、先に紹介した「真空の法則」と逆で、安価な案件を多く引き受けてしまうと、その後も安い案件が続いてしまうものです。
価格帯の話は、とても重要なので、もう少し詳しくお話します。クライアントとトラブルに発展する大半の理由は、価格帯に関することだからです。
モニター期間中は、将来価格を必ず示すこと
もちろん、実績を積むことを目的とした場合は、モニター価格で案件を引き受けることも必要です。
しかし、その場合でも、必ず「本当は〇〇万円のところ今回は△△万円でやります」と、あくまでモニター期間中であることを伝えるようにしておきましょう。
そうでないと、ずっと安価な価格で依頼され続けることになってしまいます。たまったものではないですよね。
モニター期間を設けるならば、
「先着〇人まで無料(もしくは〇万円)でやります。でもアンケートには必ず答えてください」
「〇月までモニター期間とします」
と、必ず周知したうえでモニターを募るようにしてください。
そうすることで、継続的に付き合うクライアントができた場合、価格交渉がしやすくなります。また、実績を積めば、徐々に単価を上げてもらいやすくなります。
価格よりも時間単価で考える
もうひとつ安価で引き受けて良いのは、実質的にリライトで済む場合や、虫食い箇所を埋めるだけのようなケース。
この場合、安価である代わりに、作業量も少ないので、時間単価としては適正値となるのです。
価格で案件を引き受けるかどうか決める際は、時間単価で考えると良いでしょう。
つまり、作業量に応じて価格調整するわけです。
実際に依頼が来たときは、「あまり予算がなくて……」と言う話をされる場合もあります。
この場合、「ではご予算はどのくらいですか?」と必ず確認し、価格に応じてできる範囲を示すようにしてください。
条件を必ず確認する
依頼内容については、必ず先方とは認識合わせをしておきましょう。
というのも、あなたの認識と、クライアントの認識が違うことが結構あるためです。
例えば、あなたの認識が「ライティングのみ」としても、先方が「ライティング+デザイン・コーディング」という認識のことがあります。
クライアントのなかには、ライティングとデザインの線引きが曖昧なこともあるためです。
デザインができない私も、なぜか「デザインやってみる?」と言われたことがあるくらいです。
メニュー表を提示する場合は、ライティングのみの価格であることを強調するようにしましょう。
成功報酬のみの案件は慎重に
たまに、固定で「LP1本〇〇万円」と提示されるだけでなく、成功報酬〇%という形で提示されることがあります。
成功報酬と言えば、ブックライターの印税按分がよく知られています。
しかしセールスコピーライターでも、特にプロダクトローンチなどで成功報酬を提示されることがあります。
結論から言うと、成功報酬のみは危険なので、相手から提案された場合は、なるべく引き受けないようにしましょう。
- 自分の所掌範囲外に原因があっても、コケるとお金が入ってこない
- 成功報酬を良いことに、余計な作業を押し付けられる
最悪このようなことが想定されるので、成功報酬を提示された場合は、「固定費+成功報酬」を提示するようにしましょう。
折り合いが付かない場合は、必ず断るようにしてください。
なお、先ほどブックライティングの話をしましたが、この仕事をしていると本の執筆の依頼も結構あります。
こちらも価格交渉の際は、印税按分のみにするのはお勧めしません。「固定費用のみ」もしくは「固定費用+印税按分」で交渉するようにしましょう。
※「デビュー間もなくて実績を積みたい」という理由で、自分から成功報酬を提示するのは問題ありません。むしろお勧めです。しかし、この場合も「今回だけで次回からは初期費用もいただきます」と伝えておきましょう。
【関連記事】かけだしライター必見!実績0からの案件獲得法とは?!
必ずメニュー表を用意しておく
上記のことを踏まえたうえで、必ずメニュー表を作り、実績に応じて日々改変していくようにしていきましょう。
例えば、自分の場合は、以下の媒体について価格帯を設定しています。
- チラシ(A4両面基準、割引&割高の条件も設定)
- LP(割引&割高の条件も設定)
- ステップメール(押込分含む)
- メルマガ
- HP(トップページ&下層ページ)
- SEOライティング
- 記事LP
- ブックライティング
- 薬機法、医療法チェック
- 添削
- リライト
割引&割高の条件については、例えば次のようなことです。
- 薬機法、医療法対応案件の場合は割高
- 短納期の場合は割高
- セット価格の場合は割引(LP2本、チラシ&LP etc……)
少なくとも、仕事を引き受けるか断るか明確にジャッジできるくらいにはしておきましょう。
新規案件なのにヒアリングに応じてくれないケース
継続的に仕事を依頼してくれるクライアントで、関係性ができている人であれば、そんなに打合せやヒアリングが必要ないこともあります。
ただ、基本的には「リサーチ⇒ヒアリング⇒執筆⇒納品」というのがセールスコピーライティングの仕事の鉄則。
私はセールスコピーに限らず、求人広告、SEO、ブックライティングと手掛けてきましたが、いずれも最低1回はヒアリングか打合せは必要でした。
誰かの紹介といえども、クライアントがまったく初めて会う人であれば、ヒアリングは欠かせません。
「リサーチ&ヒアリング80%:ライティング20%」と言われているのに、そのうちの80%が抜けているのは致命的。
理由は以下の記事を見ればわかりますが、ヒアリングがなければ、前提条件がずれたままライティングすることになるので、大方コケます。
【関連記事】【永久保存版】ライティングで売上激増を実現するリサーチ&ヒアリングのコツ
「忙しくてヒアリングの時間がないから想像で書いて」
「ヒアリングなんて必要なの? パンフレット渡すから、参考にして書いて」
とヒアリングの重要性を認識していないのか、クライアントが時間を取ってくれないケースがあります。
この場合は、実際に執筆で四苦八苦することになるので、断った方が良いでしょう。
すべて丸投げではなく、「一緒に作品を作り上げていく」という意識が少しでもある人と繋がるようにしましょう。
基本的な連絡手段がないケース
基本的には、クライアントとは、以下のツールを使って連絡やデータのやり取りをします。
①連絡やデータのやり取りは、メール、Facebook、Chatworkのいずれか
②電話は携帯電話の番号、もしくはFacebook電話
③オンラインの打合せはzoom
最低でも①②③は満たしている人をクライアントにしましょう。
連絡やデータのやり取りに苦労するようなことがあると、仕事に支障が出ます。
ビジョン・ミッションがないケース
セールスコピーライティングでは、「高尚なことは最後に言う」という鉄則があるように、最初は主訴やベネフィットから表現していきます。
ただ、案件を引き受ける際は、クライアントのビジョン・ミッションは必ず確認するようにしましょう。
これはLPの執筆でプロフィールや追伸などに必要なパーツという意味だけではありません。
「ただ売上を上げたい」というだけでなく、貢献の意欲を持っているかどうかは相性を確認するうえで重要なチェック項目です。
「とにかく儲けたい」「自分さえ良ければ良い」「他人のことはどうでも良い」という人と組むと、トラブルが発生しやすくなります。
もし、高単価でも、「どこか共感できない」というところがあれば、断ってしまって良いでしょう。
【まとめ】理想のクライアントと長く信頼関係を築けるように
以上、「仕事は断わって良い」ということと「断った方が良いケース」についてお話しました。
「ちょっとこの人は嫌だなあ」というクライアントと付き合うと、心をすり減らしてしまいます。
しかも嫌なクライアントに振り回され、時間を浪費すると、長期的に信頼関係を築けるクライアントと繋がるチャンスを逃します。
「真空の法則」というのがあるので、相性が合わないと感じたら、丁重に断るようにしましょう。
「これ引き受けようかな、断ろうかな」と思うようなことがあれば、この記事を参考にしていただければ幸いです。
最後までご覧いただいてありがとうございました。
※一般社団法人セールスコピーライティング普及協会のホームページより移行した記事です。
この記事を書いた人
セールスコピーライター/ブックライター 石井 裕 ▶Facebook
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