アンケートの作り方のコツは「利用目的」と「得たいデータ」からの逆算

セールスコピー ライターの鈴木恵理です。

今日のテーマはアンケートの作り方のコツです。

商品・サービスを客観的に評価していただく方法の1つにアンケートがあります。
アンケート作成や、実施をしたことはなくても、回答した経験は皆さんお持ちですよね。

だから、「なんとなく作れそう」とお考えかもしれません。

しかし、「アンケート」といっても、目的によって、内容や実施方法は多種多様。
「アンケートで調べておいて!」なんて気軽に言われても、すぐには動けないという方も多いでしょう。

そこで今日は、アンケート調査の企画と、調査項目の設定を楽にするヒントをお伝えします。

世の中には、「アンケートの項目の作り方」という記事はたくさんあるので、この記事では、調査項目を考える前の企画段階について解説します。

これを読んでいただければ、「なんとなく作れそう」なアンケートを、「作れる」ようになりますよ!

 

アンケートの成否は、アンケートの企画段階で決まる!

アンケートの成功とは、利用目的を達成するための、得たいデータが得られること。

だから、アンケートを実施するときには、

①利用目的:集めた回答結果をどう使うか?
②得たいデータ:どんな回答結果がほしいか?
③調査項目:何を知りたいのか?

を3点セットで考える必要があります。

アンケートには、「定量調査」と「定性調査」がある

最初に、2つだけ専門用語を紹介させてください。
それは「定量調査」と「定性調査」です。

定量調査
「はい・いいえ」、「満足度を5段階で」、というように、一定の集団の意見や感想、行動を主に数値や選択肢で回答してもらい、「量的データ」を得るもの。

定性調査
個人の意見や感想、行動を「どうしてそう思うのか?」と具体的な回答で「質的データ」を得るもの。

調査項目を作るときに、そこから得たいデータが「定量調査」なのか、「定性調査」なのかを意識しておくことで、設問が作りやすくなります。

定量調査=選択式 →数値で集計
定性調査=記述式 →内容を読み込む

と、いったん覚えてしまうのも便利ですよ。

意識していないと、設問の過不足や、ゴチャゴチャっとした印象を与え、「めんどくさい」と回答を途中でやめられてしまったり、集計が複雑になる、得たいデータが得られないなどの問題が発生したりします。

アンケートが無駄にならないよう、「定量調査」と「定性調査」、ぜひ頭の片隅に置いておきましょうね。

アンケートの「利用目的」、「得たいデータ」、「調査項目」とは?

よくあるアンケートのパターンを紹介しながら説明します。
それぞれ ①利用目的 ②得たいデータ ③調査項目 と共にご覧ください。

そして、読みながら、あなたのアンケートの利用目的、得たいデータ、調査項目 を考えてみましょう。

パターンA:整体院で施術を受けた方に、具体的な感想や意見を聞くアンケート

お客様の声
①利用目的
ホームページ(HP)やランディングページ(LP)、ちらしなどに「お客様の声」として紹介し、集客や売上をアップさせる

②得たいデータ
施術を受けたお客様の具体的な感想や意見。特に、「満足した」「リピートします」「こんな人にすすめたい」という前向きな声

③調査項目
来院のきっかけや理由/施術を受けた感想や満足度/家族や友人に紹介したいただける場合、どんな言葉ですすめていただけますか? など

→調査項目のほとんどが「定性調査」になります。

パターンB:化粧水を使用した感想を聞くアンケート

化粧水の使用感
①利用目的
商品の使用感や満足度を社内関係者で把握し、改善ポイントや新商品開発のヒントを得る

②得たいデータ
お客様の使用した感想、満足度やその理由、年代や肌質

③調査項目
使用感/肌質/満足度とその理由/再購入の意向 など

→使用感に「スッキリ」「さっぱり」「しっとり」などの選択肢を用意するなど、「定量調査」が中心ですが、満足度の理由などは「定性調査」で具体的に書いてもらうようにします。

 

パターンC:チョコレートメーカーによる、「今年は何人の人にチョコレートを贈りますか?」「誰に贈りますか?」「ご予算は?」という市場動向のアンケート


①利用目的
バレンタイン商戦に向けた新商品のPRの一環として、プレスリリースに市場動向として「今年のバレンタイン、自分のためのご褒美チョコの金額は、彼氏用の●倍!」などを添え、ニュースとして話題にされたり、購買意欲を喚起したりする

②得たいデータ
チョコレート購買層である女性の「今年のバレンタインデー」の動向

③調査項目
彼氏や配偶者など特定のパートナーはいますか?/誰にあげますか?/全部で何個買いますか?/予算は? など

→市場動向なので、ほぼ全ての項目を「定量調査」にします。

 

対象者や規模、実施期間を決める

紹介した3つのパターンをご覧になって、利用目的や得たいデータによって、

・アンケートの対象者
・規模(必要な対象者の数)
・実施期間

が違ってくることに、お気付きでしょうか。

パターンAの整体院の場合
利用目的がHPやLP、ちらしに載せることなので、常連さんがいる整体院であれば、アンケートの対象は、常連さん5〜10名でも充分です。数名であれば、調査期間も数日で済みますね。

しかし、新規の整体院の場合は、来院いただく方全員にアンケートをお願いし、20〜30名ほど集めた中から選ぶことになるため、数週間みたほうがいいでしょう。

パターンBの化粧水の場合
販売データを元に購入者全員、または そろそろ使い終わるであろう購入後1ヶ月の方を対象とするなどします。特定の年代をターゲットにした商品の場合には、対象者を年代で限定するのもひとつの方法です。

パターンCのバレンタインの動向の場合
少なくても100名、もし年代での比較をしたいときには、購買の中心となる20代、30代、40代を100名ずつ300名は集めたいところです。

アンケートの対象を自社のお客様に限定する必要もないので、メルマガなどのリストで足りないときには、SNSで広く募集したり、調査会社に依頼したりしましょう。

プレスリリースなど発表に用いるデータなので、発表日に合わせて調査時期に余裕を持たせておくと、安心ですね。

調査項目の作り方

アンケート調査項目
ここからは具体的な調査項目について、ポイントだけ説明します。

お客様について

個人の意見や感想、行動を具体的に聞く「定性調査」の場合は、お名前/連絡先(メールアドレスや電話番号)/年齢(または年代)/性別を、項目に入れましょう。
理由は、意見や感想について、さらに詳しく伺いたいときに、連絡できるようにするためです。

また、ホームページ等に「お客様の声」として掲載する場合には、アンケートの最後に、ホームページへの掲載にご協力いただけますか?/その際は実名(匿名またはイニシャル)で構わないですか?/お写真は掲載してもよいですか? なども記載します。

個人情報を取得するので、個人情報保護法にも配慮しましょう。

定量調査だけの場合は、お名前や連絡先は不要です。年齢も具体的な数値ではなく、5歳とか10歳の幅で選択肢を用意しておけば、集計作業も簡単になりますよ。

定性調査の項目

できるだけ具体的に回答していただけるよう、わかりやすい説明文にします。
こんな風に回答してほしいというサンプルを記載しておくのも効果的。

「お客様の声」については、こちらの記事も参考になりますよ。
次々と人を呼ぶ!お客様の声の書き方・集め方

定量調査の項目

選択肢を用意して、1つまたは複数を選んでもらうようにします。
どうしても例外が起きそうなときは、「その他」を選択肢に入れ、理由を具体的に知りたいときのみ、回答蘭を作りましょう。

いかがでしたでしょうか。
「アンケート作ってみたい」という気持ちになっていただけましたら、幸いです。

最近では、Googleフォームなどのように、無料で簡単にアンケート調査票を作成し、集計までしてくれるサービスがあります。

まずは簡単なアンケートから、ぜひ作ってみてくださいね。

※一般社団法人セールスコピーライティング普及協会のホームページより移行した記事です。

この記事を書いた人

セールスコピーライター                                                                                  鈴木 恵理  ▶Facebook

商品・サービスの魅力を発見し、集客に貢献するセールスコピーライター兼マーケティングプランナー。大手電機メーカーで、商品の販売促進、直販窓口の運営、コールセンターに寄せられるお客様の声の分析など、マーケティングに13年間携わる。 退職し、結婚。子育てをしていた時期に出会った中小企業の経営者に、集客の相談をされたことを機に、個人事業主として仕事を再開。 ベンチャー企業でSEOライティングのディレクションを経て、現在に至る。あなたの会社のマーケティング担当者”として、 中小企業や士業、個人事業主の方のプロモーションと、それに付随するLP制作、ステップメール、メルマガ、ブログなどを支援いたします。